貴方は今回の事の顛末を少しでも知るために、この公園へとやって来た。
普段は人が賑わう公園も、梅雨時となってはそこまで人気がない。
何かないか。執念深く周囲を見渡す貴方の元に、黄色い傘を差した一人の少年がやって来た。
「ねえ、きつねのよめいりって、しってる?」
唐突にそう口にした少年に貴方が首を傾げていると、続いた言葉に目を見開いた。
「ぼく、しってるよ。だってみたんだもん。」
「はれなのにあめがふって、おんなのこがいなくなったの。」
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HO【きつねのよめいり】
乙ヶ三区立公園に訪れていた少年による証言。
「いっしゅうかんくらいまえにね、おとーさんとおかーさんとあそびにきたの。
そしたらはれてたのにね、きゅうにばーってあめがふって。
そのときにみたの。くろいきつねさんと、おんなのこがいっしょにいたの。
ぼく、かくれんぼしてて、すべりだいのしたにいたの。
でもびっくりしたから、『おっきいきつねさんがいるよ!』って、
あめやんでからおしえにいったの。
でも、おとーさんもおかーさんも、『あれはおとうさんといっしょにいたこなのよ』って。
きつねさんとおんなのこって、おやこになれるのかなぁ?」